第二章 ひろし30歳の回想②

夕刻になり、蕎麦屋に出向く

 

閉まっている。。。

 

定休日か?

 

いや、営業時間11:00〜14:00

 

営業時間まで一丁前かいっ!!

 

と、ぶつぶつ言いながら少し不機嫌になる。

 

ひろしは自分のイメージ通りにいかないとすぐに不機嫌になる癖が昔からある

 

あっ、そうだ!!

 

近くに美味しいThe町中華屋さんがあるのを思い出した。

 

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夕ご飯どきと言う事もあり、店内は賑わっている。

 

少し高めの椅子のカウンターに座り大将に注文

 

昔からいつも頼むのは麻婆丼と餃子

 

何回来て、常連になっても馴れ馴れしく接してこない接客が最高だ

 

ひろしは自分の気に入った店には一人で何度も通うが、店員が馴れ馴れしく接してきた段階でその店には行かなくなる

 

いわゆるコミュ症だ

 

一人でどこでも行くくせに、馴れ馴れしく接しられると行かなくなるコミュ症

 

いかにも一癖も二癖もある男なのだ

 

カウンター横にある20型くらいのテレビで阪神vs中日の試合が流れる

 

ピッチャー能見か〜

 

懐かしんでいると麻婆丼がきた

 

アツアツの麻婆丼をホフホフ頬張りながら明日の事を考える

 

とりあえず今生をどう生きていくのか

 

方向性を考えないとな、と思いつつ食していると餃子がきた

 

麻婆丼はもうほぼ食べ終えている

 

この餃子の届くタイミングの悪さだけがこの店の欠点

 

なんて思いニヤニヤしながら餃子を食べ終え自宅に戻る

 

さぁ今度こそ方向性をしっかり考えよう

 

何から考えるべきか?

 

前生がどういう人生だったのかをまず思い出してみた

 

30歳。。。

 

何をしていたかほぼ印象なし

 

40歳。。。

 

日々の流れに身を委ね、自分から何かをする事皆無

 

50歳。。。

 

少しは影響力が出るかと思いきや周りから敬遠されがち

 

60歳。。。

 

もう定年退職だしと、特に自分からなにをするわけでもなく波風立てずにすごす

 

ひろしはふと気付く

 

折れ線グラフでみたらほぼ横棒やん

 

細かく見れば上下はあっただろう

 

しかし、人生スパンの大きくみれば横ばいなのは間違いない

 

しかもプラスマイナス0のちょっと下くらい

 

決して不幸ではないが決して幸せだった訳ではない

 

このままなにも考えず

 

このままなにも行動しなければ

 

間違いなくプラマイ0のちょっと下

 

その人生のレールが目の前に伸びている

 

よしっ!!

 

心に強く思った

 

2度目の人生、閻魔婆さんが与えてくれた人生

 

折れ線グラフが突き抜ける人生にしよう

 

それが上であろうが下であろうが

 

きっと上下の落差があった方が楽しいはずだ

 

そう思い馳せながら目をキラキラさせたひろし30歳

 

覚醒の時はくるのでしょうか?