第一章 ひろし65歳
2048年4月1日
僕は死んだ。。。
突如として、胸が張り裂けそうな痛み、やがて目の前が真っ白になり、
気がつけば一面真っ白な世界が広がっていた。
自分であぁ〜死んだのか〜!?
これが死後の世界か〜!?
あぁ〜何も無い人生だったな〜。。。
と、しんみりしていると、
目の前に小柄なお婆さんが現れた。
もしかすると、ずっと前からいたのかもしれない。
見た目は優しそうなお婆さんだが、その眼光はするどく、わかりやすく言うと閻魔大王みたいな感じだ。
閻魔婆さんがが口を開く。
おまえさんの65年間で何を得て、何を与えられたか?と。
私はなにも答えられずにいた。
閻魔婆さんは続けて言った。
もし30歳に戻れるとしたら、何かを得て、何かを与える事はできると思うか?
私は数十秒間の沈黙の後、答えた。
何かを得て、何かを与えられるかはわからないが、もう一度65歳になった時、今とは違う充実感は得られる様に思います。
その為に何をし、どういう行動をしなければいけないのか、プランはあるので、30歳に戻る事ができれば、それを実行してみたいなと思います。
その返答に閻魔婆さんは
では、なぜ今までやらなかった?
その問いに明確な答えはなかった。
ただ、単純にその時々を生きるのが精一杯だったのかもしれないし、
そもそも、自分に期待感を持つ事がなかった。
後から思い返せば、自分に期待さえしていれば、やれた事はたくさんあった人生だった。
素直の閻魔婆さんに言うと、
よし、わかった。
30歳に戻ってくるがいい。
僕は頭の中が???だった。
ここで天国か地獄の裁きを受けるのではないのか?
まさか30歳に戻るという選択肢があったのか!?
ポカンとしていると僕に閻魔婆さんが、持っていた杖で僕の左のつま先を強打し言った。
だだし、1分1秒も無駄にしてはならぬ。
その時々に何をすれば最善か良く考えるのです。
そうすればおのずと答えは見つかる。
まだ、僕は閻魔婆さんが何を言っているのかわからない。
そして、今度は右のつま先を杖で強打した。
すると再び目の前が真っ白になり、気がつけば布団にくるまり僕は寝ていた。
夢か?
そう思いながらもリアルに閻魔婆さんとのやりとりが思い返される。
ふとテレビをつけると目覚ましテレビだ。
アナウンサーは生野アナ。
???
若い!!
チャンネルを変える。
読売テレビは・・・
す・またんやってる。
しかも司会は森さんに辛抱さんおるやん。
持ち前の状況把握能力ですぐに理解した。
(状況を把握して、場の空気を読む事だけは昔から得意だった。)
30歳に戻ってるやん!!
鏡を見てみる。
30歳に戻ってるやん。
今日は顔面調子悪いからサバンナの八木やん。
(ちなみに調子が絶好調の時は藤原竜也)
すったもんだで30歳に戻ってきた僕。。。
前生でできなかった、いや、やらなかった事をしていこうと強く心に思い、もう一度布団にはいった。
これが今の最善だと思いながら。。。
ここから、どう言う2度目の人生を歩むのか楽しみであり、不安なひろしでした。